名器に想う自然と人の融合…のお話。 [つぶやき]
今日は音楽家の方とお話を。
その方はバイオリニストでいらっしゃいますが、バイオリンと言えば、
作られてから数百年の時を経てなお美しい音色を響かせる名器と言われる物があります。
そう言った超一流の楽器はお値段も超一流。
家を一軒売って楽器一台を購入した人がいる、という話を聞いて目が飛び出ました(^_^;)
以前、店のライブで演奏してくださったサックス奏者の方にお聞きしたら、
サックスやトランペットやトロンボーンのような楽器ではそのようなことは無いそうです。
例えば超一流のプレイヤーが使っていた楽器がプレミア価格になっても、
それはコレクションであって演奏するものとは違うのだとか。
以前、三百年の年代物ストラディヴァリウスの名器をX線撮影し、過去の修理履歴を
調べた番組があったそうですが、年代別に数々の痕跡が見つかったとか。
そうやって手術(修理)しながらも永く使い続けられたり、
例えばしばらく使っていなくても、再び良い奏者が使い込めば音が甦るのも、
生きているから
だそうです。
私たちがお店を開いたばかりの頃、店内が木の壁で覆われているのを見た方が
「木っていつ死ぬんだろう」
とおっしゃいました。
大地に根を張り養分を得ながら生長している時はもちろん、
斬り倒されて壁や床になっても、また、楽器になっても、
木は呼吸を続け、変化し続ける。
生き続けている。
もちろん、それを生き永らえさせたい、という人の手との融合あって、なのでしょうけれど。
自然の偉大さと、人間の手のすごさとを感じたお話でした。
…でも、お話を伺っていてもうひとつ驚いたことが。
なんと、数百年以上経って、これだけ科学や技術が発達した現代でも、
当時の名器を越えるバイオリンは出ていないのだそうです。
それは素材である木やニスが当時のものを再現できないのと、
それだけの職人がいないのと…。
自然と人間の絶妙な融合…希少な機会が生み出した超一流品のお話でした。
ふぅ~(*´ω`*)
木も人も自然が生み出したもの。
…なんだか、悠久の時の流れとこめられた想いと…
ため息が出てしまいます。
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