運命 [つぶやき]
嫌い嫌いも好きの内…なんてことは無いのですが、私は虫は“かなり”不得意です!
店の入り口には、隣接するクリニックさんが管理する小さな花壇があります。
一週間くらい前からでしょうか、恐らく「蛾」の幼虫でしょう、黒にオレンジのトゲトゲがついた毛虫が数匹いたのに気づきました。
嫌いなだけに動きが気になり、ここ数日はコトあるごとにチェックするのが習慣に…。
ある時、いたはずの毛虫の内、数匹の姿が見えなくなったので、可哀想に鳥にでも食べられたか…と思っておりました。
ところが!ど~見ても枯れ葉にしか見えない物体が明らかに風が吹くのとは違う動きをしていることに気づき、よ~く見てみると…
なんと、サナギ!
しかも同じ形状の枯れ葉がいくつかぶら下がっている…。
なるほど~、鳥に食べられたのではなくサナギになっていたのね。
ずっと観察していたからでしょうか、羽化したら蛾になるなんてすっかり忘れ、少しだけ…ほんのちょっぴりですよ、ほんのこれっぽっちだけね、親しみ?みたいなものを感じてました…。
子供時代は虫大好きマスターが言うには、羽化は夜から朝にかけて進み、太陽で羽を乾かすのだとか。
毎朝店に来ては「お!まだいるよ!」なんて話しながら、脱け殻を見るのを楽しみにしておりました。
…なのになのに…
今朝店につくとなんと、花壇の花が植え替えられているではありませんか~( ̄^ ̄)
ショ~~~ッッック~~!!!!
いやぁ、虫は嫌いですよ、決して好きではありませんっ!
だけど、観察していたサナギが蛾になったら、今までとは少し違う気持ちで見られるんじゃないか…なんて小さな期待もあったんです。
それだけに悲しい気分になりました…。
「あ~ぁ…」なんて、美しい花たちに植え替えられて綺麗になった花壇を眺めていたら…
あれ?
!発見!一つ生き残ってる!
実は花壇は手前の2/3は数ヶ月おきに植え替えられますが、木が植えてある残り部分は手をつけないんです。そこに一つだけ無事にぶら下がっているサナギがいました。
…確かコイツ、一番サナギになるのが遅かったヤツだ…
なんだか「みにくいアヒルの子」を思い出しました。
いや、コイツが美しい蝶になることは決してないです(実は蝶も嫌い…)、けど、ほんの数十センチの差で消えた命と残った命。
運命ってあるのかな…なんて、嫌いな蛾の小さな命に考えいってしまいました。
もう少しの間だけ、サナギの行方を観察していよう。
嫌いな蛾を見る目…それだけでも、少しだけ変わる自分を期待しながら…。
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